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ハチ毒アレルギー検査(血液検査)

ハチ毒アレルギー

暖かくなると屋外での活動が増え、ハチに遭遇する機会も多くなります。
当院にも、花壇の手入れや畑仕事の最中にハチに刺され、受診される患者さんが毎年いらっしゃいます。


日本の報告では、ハチ刺傷の原因として
アシナガバチが最も多く、次いでスズメバチ、ミツバチの順とされています。

また、巣が発達する時期にはハチの数が増え、攻撃性も高くなるため特に注意が必要です。

  • アシナガバチ:7月~8月頃
  • スズメバチ:7月~10月頃
  • ミツバチ:年間を通して活動

日本では、ハチ刺されによる死亡者数は
毎年平均で約15人とされており、2023年には21人が報告されています。

その多くは、アナフィラキシーショック(強い全身性のアレルギー反応)が原因です。


ハチに一度刺されると、体内でハチ毒に対する
特異的IgE抗体が作られ、「感作(かんさ)」された状態になります。

初めて刺された方のうち、約1~2割が感作されるといわれています。

症状

ハチに刺されると、多くの場合は刺された部分が腫れるなど、局所の症状のみで経過します。
しかし中には、全身に症状が広がる「アナフィラキシー」を起こすことがあります。

アナフィラキシーは短時間で急速に進行し、命に関わることもあるため注意が必要です。


● 局所症状(刺された部分の症状)

  • 刺された部分の赤み・腫れ
  • かゆみ・痛み

 多くの場合は数日で改善します


●全身症状(アナフィラキシー)

  • 全身のじんましん
  • 息苦しさ、のどの違和感(しめつけられる感じ)
  • 腹痛、吐き気、下痢
  • めまい、血圧低下、意識がもうろうとする

 これらの症状が出た場合はすぐに医療機関を受診してください

  重症の場合、刺されてから約15分程度で急速に症状が進行し、心肺停止に至ることもあります

  早期の対応が非常に重要です

ハチ毒によるアナフィラキシー

ハチに刺された際に起こる全身症状(アナフィラキシー)には、主に2つのしくみがあります。

① アレルギー反応(IgEを介した反応)

体内にハチ毒に対する抗体(特異的IgE)がある場合、
再び刺されることで免疫反応が起こり、以下のような症状が現れます。

  • 全身のじんましん
  • 呼吸困難(息苦しさ)
  • 血圧低下、めまい

いわゆる「アナフィラキシー」と呼ばれる状態です

② 毒そのものによる反応(毒性反応)

一度に多くのハチに刺されると、体内に大量の毒が入ることで、
IgE抗体がなくても全身症状が現れることがあります。

初めて刺された場合でも、多数刺されると重症化する可能性があります


ハチ毒には、アレルギーの原因となる物質がいくつも含まれています。
スズメバチとアシナガバチの毒には共通する成分が存在します。

そのため、アシナガバチに刺されてアナフィラキシーを起こした方は、
スズメバチに刺された場合でも同様の反応を起こす可能性があります。

ハチに刺されたときの治療

症状の程度に応じて、治療方法が異なります。

●軽症の場合(局所症状)

刺された部分のみの症状であれば、以下の治療を行います。

  • 抗ヒスタミン薬の内服
  • 消炎鎮痛剤の内服
  • 副腎皮質ステロイド外用薬(塗り薬)

 多くの場合は、これらの治療で数日以内に改善します


● 全身症状がある場合(アナフィラキシー)

全身症状がみられる場合は、速やかな医療機関の受診が必要です。

医療機関では、以下のような治療を行います:

  • アドレナリン投与(最も重要な治療)
  • 酸素投与
  • 点滴治療
     ・急速輸液
     ・副腎皮質ステロイド
     ・抗ヒスタミン薬

  症状の進行が早いため、早期対応が非常に重要です

検査

ご自身がどのハチに対してアレルギーを持っているかを知ることは、万が一の際の予防や適切な対策につながります

当院では、血液検査によるハチ毒アレルギー検査を行っております。


●検査内容

ハチ毒特異的IgE検査(血液検査)

アシナガバチ・ミツバチ・スズメバチに対するアレルギー(抗体)の有無を調べます。


●検査を受けるタイミング

ハチに刺されてから体内で抗体(特異的IgE)が作られるまでには時間がかかります

  • 刺されてから1か月以降の検査をおすすめしています

●検査結果について
  • 結果は約1週間程度で判明します
  • 検査結果が陽性でも、必ずしもアナフィラキシーを起こすわけではありません

過去の症状や経過とあわせて、総合的に判断いたします


●保険診療について

以下の場合は健康保険が適用されます:

・過去にハチに刺されて
 じんましん
 息苦しさ
 めまい・血圧低下 などの症状があった場合
・医師が検査の必要性を認めた場合

●自費診療となる場合

以下のような予防的な検査は保険適用外となります:

  • 「山林での作業があるため調べたい」
  • 「症状はないが念のため確認したい」

 この場合は自費での検査となります


費用の目安(税込価格)

  • 保険診療(3割負担の方):約3,000円(診察料+検査料)
  • 自費診療:6,600円(診察料+検査料)

※費用は検査項目数や診療内容により多少前後することがあります

エピペン(自己注射アドレナリン)について

当院ではエピペン処方が可能です

ハチに刺された後に、アナフィラキシー(全身性の強いアレルギー反応)が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

しかし、アナフィラキシーは短時間で急速に症状が進行することがあり、医療機関への到着を待っている間に重症化する可能性があります。

そのため、重症化のリスクが高い方には、携帯型のアドレナリン自己注射薬(エピペン)の携帯が推奨されます。


● エピペンの携帯が推奨される方

☑ ハチ刺されで全身症状(じんましん、息苦しさ、血圧低下など)を起こしたことがある方

☑ ハチ毒に対する特異的IgE抗体が高値で、かつ症状の既往がある方

☑ ハチに刺されるリスクの高い環境にある方
(例:林業、農業、造園業、建設業、電気工事業、ゴルフ場管理、養蜂業など)


 ●当院での対応

当院では、医師の判断によりエピペンの処方が可能です。

使用方法や携帯時の注意点についても、丁寧にご説明いたしますのでご相談ください。


刺されないための予防

まずは刺されないことが大切です

ハチに刺されないためには、日頃の環境づくりや行動の工夫が最も重要です。
少しの注意で、刺傷リスクを大きく減らすことができます。

基本的な予防のポイント

● ハチの巣に近づかない

野外活動(散歩・農作業・レジャーなど)の際は、周囲にハチの巣がないか注意しましょう。
木の枝や軒下、草むらなどに巣が作られていることがあります。

ハチを見かけた場合は、慌てず静かにその場を離れることが大切です


● 服装に注意する

ハチは黒い色に反応しやすいとされています。

  • 白やベージュなどの明るい色の服を着用する
  • 長袖・長ズボンで肌の露出を控える

 屋外活動時は、帽子の着用もおすすめです


● 強い香りを避ける

香水や整髪料、柔軟剤などの強い香りはハチを引き寄せることがあります。

 野外活動時は、香りの強い製品の使用は控えましょう



Q&A

2回目に刺されると危険と聞きましたが本当ですか?
初めて刺された場合でも重症になることはありますか?
ハチ毒アレルギーの検査は誰でも受けられますか?
検査を希望する場合、受診はどのようにすればよいですか?
検査が陽性(アレルギーあり)だった場合、どうすればよいですか?
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